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RPAとは?注目される背景からメリット・デメリットまで解説
近年、人の手で行われていた業務を自動化する「RPA」というツールが多くの企業やユーザに注目されています。
今回のコラムでは、RPAについて、注目されている背景やメリット・デメリット、さらにNCKが提供するRPAサービスと合わせて解説します。
目次
RPAとは
「RPA」とは、「Robotic Process Automation」の略称であり、人の手で行われている業務を、ロボットによって自動化する技術のことです。定期的に繰り返し行う作業や、定型的に行う作業といった単純業務に向いています。
具体的には
- システム間のデータ連携
- 定型的なファイルダウンロード、メール処理
- Excelへの入力、転記、集計、確認、変換処理
などに向いていると言えます。
RPAが注目されるようになった背景
RPAが注目されるようになった背景としては、主に2つの事項が挙げられます。
人手不足
出典:2020年までは「令和2年国勢調査」(年齢不詳人口を含む)(総務省)、
2025年以降は「日本の将来推計人口(平成29年7月推計)」(出生中位・死亡中位推計)(国立社会保障・人口問題研究所)
我が国の労働人口(15〜64歳の人口)は少子高齢化の影響で1995年を目途に減少し続けています。1995年時点では労働人口は約8700万人でしたが、2015年時点では約7700万人まで減少しました。そのため、多くの企業で人手不足に陥るケースが増えてきています。
労働人口の減少傾向は今後も続くとされており、2060年には約4800万人まで減少する見込みです。そのため、人手不足はさらに深刻になると予測されています。
労働人口の減少による人手不足の対策として、人がいなくても業務が可能である、RPAの導入が様々な企業で進んでいるということです。
働き方改革の推進
現在の企業では、働く人々がそれぞれに合った方法で働けるようにする、「働き方改革」が推し進められています。
政府は2019年4月に「働き方改革関連法案」を施行し、時間外労働の上限設定、年5日の有給休暇付与などが義務付けられました。これにより、以前より一月当たりの労働時間が短縮することが多くなりました。
また、近年は他人との接触をさけるため、時差出勤やフレックスタイム制、リモートワークを取り入れる企業が増えており、時間や場所を選ばない柔軟な働き方が求められています。
RPAは人がやるよりも効率的に業務をこなすことができ、ロボットの動く環境にアクセスできれば24時間365日どこでも稼働できます。そのため、RPAは働き方改革を推進させる助けとなり得ます。
RPAのメリット・デメリット
RPAのメリット
業務時間を短縮できる
RPAを導入すれば、人がやっていた単純作業を自動化できるため、業務時間の短縮が期待できます。また、RPAは24時間365日動かせるため、業務時間外に残っている作業を終わらせておく、という事も可能になります。
付加価値の高い業務に集中できる
単純作業をRPAに任せれば、その単純作業に割り当てていた人材を、RPAにはできない複雑で付加価値の高い作業に割り当てる事も可能になります。これにより、社員のスキル育成にもつながります。
ミスの削減につながる
ロボットは指定された作業を正確に行うため、人為的な作業ミスを大幅に削減することができます。ミスが減ることで作業の品質が向上する他、ミスのチェックや対策も不要になり、業務の効率化を促進できます。
人材不足への対策になる
RPAを導入することで、単純作業に割り当てる人材が不要になります。よって、人材不足を解消しやすくなります。また、人材の場合は異動や退職などでその人が持っていたスキルが失われることも危惧されますが、RPAにおいてはその心配はいりません。
さらに、作業に携わる人材を減らすことが出来るため、その分人件費を削減することができます。
RPAのデメリット
業務停止のリスクがある
RPAはソフトウェアによるツールであるため、システム障害やサーバーダウン、ソフトウェアのアップデートなどが発生すると業務が停止してしまう恐れがあります。
RPAを運用する際は、使用するソフトウェアのメンテナンスの定期的な実行や、万が一停止した際のマニュアルやルールを作成しておくなどして、問題発生時に迅速に対応できるようにしておく必要があります。
セキュリティ上のリスクがある
ネットワーク上のサーバやクラウドに接続するタイプのRPAでは、セキュリティ上のリスクも付きまといます。主な問題としては不正アクセスによる情報漏洩や、システムのハッキングなどが考えられます。そのため、セキュリティの対策を万全にしておかなければなりません。
想定外の事態に対応できない
RPAは指定された作業を正確に実行することしかできないため、作業場で想定外の事態が発生したり、指定された作業が間違っていたりしたときに対応することができません。
人の手で行われる作業を人以外が行うものとして、RPA以外にAIが挙げられますが、AIは想定外の事態が起こったときにAI自身で思考して対応することができます。これは人の手による作業でももちろん当てはまります。
RPAを運行する前に、テストを行い確認したり、想定外の事態発生時への対応をロボットに組み込んでおいたりといった対応をしておくと良いでしょう。
ブラックボックス化のおそれがある
RPAは一度起動すると、周りの状況に関係なく、自動で業務を継続します。そのため、担当者が異動や退職などでいなくなっても稼働し続けるケースが考えられます。このとき、担当者の役割を誰かに引き継いでいないと、対応できる人材が誰もおらず、結果的に作業内容や手順などがブラックボックス化するおそれがあります。
これを防ぐために、マニュアルを作成したりして、RPAに対する情報共有をチーム全体に行っておく必要があります。
まとめ
今回のコラムでは、RPAについて解説しました。
近年では人材不足と柔軟な働き方の普及により、システム改革を行う企業が増えています。業務に携わるシステムを刷新することは困難ですが、RPAは比較的取り入れやすいツールであるため、RPAで業務を自動化している企業は年々増えています。
このコラムでRPAに興味を持たれた方は、ぜひ導入を考えてみてはいかがでしょうか。
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